カンボジアを訪れて

カンボジアと日本
  
 カンボジアでのボランティアについては、コンサートのお手伝いなどしていて少しだけですが知っていました。カンボジアに行って私もボランティアをしてみたい!というのがコンサートを見たときの率直な感想でした。その願いが今年になってやっと叶ったのです。
 
 一日目はチェレ村の学校に行きました。英語は少ししか話せないし、クメール語も日本語でありがとうという意味の『オークン』しか分からなかったので、ちゃんとコミュニケーションがとれるかどうか心配でした。学校に入ってオロオロしていたら、一人の生徒が私の持っていたカメラの三脚を頼んでもいないのに、持ってくれました。重い物なのに小さい体で一生懸命持ってくれて、心が温かくなりました。私の学校ではこのような風景はもう、見る事ができません。

 生徒の前に出て一人ひとりクメール語で自己紹介するときがありました。前の人たちの自己紹介を聞いて、見よう見まねで自己紹介をしてみて(あぁ、これ絶対通じてないなぁ)と思ったと所、生徒たちが大きな声で、「ユウチャン!!」と名前を呼んでくれました。初めて話したクメール語が通じた事にとても感動しました。そしてみんなとても元気で、コミュニケーションについての心配は消え去り、この子たちとなら、仲良くなれるかも!と、期待しました。

 ステージに立って、甲府在住のミュージシャンのけんちゃんが歌いだすと、生徒はみんな体を動かし始め大きな笑顔になっていました。こっちの方もつられて笑顔になっていました。けんちゃんの歌は自然に笑顔になる歌だと思います。すごく好きな歌です。

 そして初挑戦、カンボジアで昔から親しまれている音楽の『アラピア』!私たちが歌いだしたら、生徒まで歌いだし、踊りも始めました。これには思わず笑ってしまい、この日で一番楽しかったです。私は踊り方が全然分かりませんでしたが、踊っている子たちに踊り方を習い、アラピアの踊りに便乗させてもらいました。何回も何回もアラピアが続きました。

 二日目も学校です。各自教室で生徒にいろいろ教える事になりました。私はさすがに教える事はないだろうと思い一息ついていたところ、「有ちゃんは絵を教えてね」と言われ、びっくりしてしまいました。私なんか絵の超初心者で、教えるなんてもってのほかです。しかし、この先私が絵を教える事なんてないはずだから、これは逆にチャンスじゃないか!と、ポジティブに考える事にしました。どのように教えればいいか考えていたところ、「自分の好きな物を描いてもらえばいいじゃないか」とアドバイスされて、ナイスなアイディアだと思い好きな物を描いてもらう事にしました。

 教室に入ってクレヨンと紙を配り、シスターにこれからやる事の説明をしてもらい授業がスタートしました。生徒が絵を描いているときにアドバイスをしようと思い、教室をウロチョロしていました。が、アドバイスなんてあんまり必要ありませんでした。みんな描きたい物がハッキリしていて、どんどんどんどん手が動いていました。絵の方も見てみると、すごく丁寧で上手でした。私の方が絵を教えてもらいたかったです。それほど私は絵が下手なのに、一人の女の子に絵を描いてあげたらとても喜んでくれました。かなり自信を持つ事ができました。

 次に私と同い年の生徒たちにインタビューをしました。その中には私よりも年上なのに今年から学校に通い始めた人がいます。今まで家のお手伝いばっかりをしていて、学校に来る事ができなかったそうです。私はなんて恵まれているのでしょうか。保育園も小学校も中学校も高校もその年齢になれば自然に入学できるものだと思っていました。カンボジアではそのような事はできません。小学校に入れるかどうかも分からないのです。そんな事を思いながらインタビューを開始しました。「勉強は楽しいですか?」「はい!楽しいです!」私だったらそんなに即答できません。いや、私と同年代の日本の子供たちも即答できていないでしょう。`勉強`という単語にこれほど目を輝かせる事はできません。それほど勉強は生きていくのに必要な物なんだ、と日本で教えられたときとは比べ物にならないくらい思いました。

 インタビューも終わりに近づき、日本の子供たちにメッセージをもらいました。
「勉強がんばってますか?」 「将来の夢を持っていますか?」
この質問に日本の子供たちはどのくらいの人数が答えられるでしょうか。
  
 最後に生徒たちが集まって私たちにお礼の会を開いてくれました。女の子たちが前に出て、カンボジア伝統の歌に合わせて踊ってくれました。すごく美しかったです。踊りを見た後は、ステージの上にあがらせてもらいました。そしたら生徒たち全員がステージの方へ向かってきたのです。何をするのかドキドキしていると、一人の女の子が一枚の紙をくれました。その紙を見てみると絵が描いてありました。その後もたくさんの生徒が私たちに絵をくれました。お花の絵、女の子の楽しそうな絵、そんな絵を見ていたら涙が流れてきました。      
 絵を渡してくれたときのあの笑顔が忘れられません。
 別れ際に抱きついてきて「また会おうね!」と言ってくれて、ありがとう。
 最初から最後までずっと笑顔がたえなかったみんながいたから、私たちもずっと笑顔でいる事ができました。
 ありがとう。
 “毎日が特別”という事に気づかせてくれたのもみんなのお陰です。
 ありがとう。また会おうね。             

 

I am happy to see you.
     We are always laughing.

三浦 有